最終日なので観光は一か所だけ、アンヴァリッドにナポレオンのお墓を見に行きます。

アンヴァリッドは、戦争で傷ついた軍人を受け入れる目的でルイ14世によって建てられた廃兵院です。
今でも一部が軍事病院として使われているほか、 13世紀からの武器などを展示する軍事博物館、フランス軍の教会として使われているサンルイ教会、 そしてナポレオンが眠るドーム教会といった複数の施設から成り立っています。

軍事博物館は、国別、時代別に、武器や戦闘服など戦争に関するものが展示されている施設で、 じっくり見ると２、３時間はかかるという充実したもののようです。
武器などにはあまり興味がないので、教会見学の見学の後に、 ナポレオン関係の展示と模型博物館をさらっと見るだけのつもりで、まずは教会へ。

ふたつの教会は礼拝堂の背後の壁を共用にしている、ひとつの建物なのですが、 行き来はできない構造になっています。
ドーム教会はルイ１４世を祭る王の教会、サンルイ教会は兵士の教会、 祀られる人も祈る人も身分で分けられているのです。

ナポレオンのお墓があるのはドーム教会の方、地階に安置されたナポレオンの棺を中心に 天井までが吹き抜けになっていて１階の回廊からもその巨大な棺を見下ろすことができます。
見事な天井画に、豪華な装飾の祭壇、荘厳な教会です。
ここにはナポレオンだけでなく、兄弟やナポレオン２世、功績のあった将軍たちも葬られていました。

裏側に位置するサンルイ教会に回ると、こちらはまた違った荘厳さがあります。
美しい白い両壁には、過去にフランスが他の王国に勝ったときに敵から奪ってきた軍旗がずらりと掲げられ、 独特な雰囲気です。
現在は、フランス兵士が戦死した時に葬儀を執り行う場所でもあるそうです。

中庭を抜け、軍事博物館へ。
左手の建物の3階がナポレオンのスペース、 実際に使用していた銃、望遠鏡、帽子、アクセサリーなどが展示されていました。

そして立体模型博物館へ。
世界遺産に登録されている数々の星型の防砦を作った、ルイ14世時代の軍事将校ヴォーバンが、 要塞を作る土地の研究のために、実際に作ったいろいろな場所の模型がここに残されています。
（彼のお墓もドーム教会の中、ナポレオンの傍らに）

モンサンミッシェルの模型が見事だと聞いていたので見たかったのです。
ルイ14世の時代、17世紀のモンサンミッシェルを忠実に再現していました。
メールプラールのレストランは、まだありません。

同じ建物の地下1階には、フランスのもう一人の偉人である シャルル・ド・ゴールの展示館があるのですが、時間の関係もあり、 そちらには寄らずにホテルに戻りました。

ホテルで荷物を受け取り、ロワシーバスでシャルルドゴール空港へ向かいます。
昼間で空いていたのか、40分ほどでターミナル１に到着しました。
ターミナル１は外見は円筒、内側は空洞のドーナッツ型になっていて、 透明なチューブに入ったエスカレータがいくつも横切る様子はまるで宇宙ステーション？（笑）

４つのホールからなるターミナルは、国際線エリアとシェンゲンエリアに分かれています。
フランクフルト行きは出国審査がないので、セキュリティチェックを受けてから、 ルフトハンザ航空のラウンジで過ごすのが普通なのですが、 国際線のセキュリティエリア内にある、評判の良いスターアライアンスのラウンジが気になります。

そこに行くには、出国審査を通って、搭乗までに再入国して戻ってくるというややこしい手順が 必要なのだけれど、せっかくだから行ってみたいもの。
乗り遅れを心配する夫を、ゲートが混んでいたらやめる、 必ず１時間前には戻ると説得して、トライしてみることにしました。

行ってみると、出国の列は多少並んでしましたが、優先ゲートを使ってスイっと前へ、 審査もラウンジに行きたい、で簡単にすみました。
11階に登って入室、10階のビジネスラウンジに降ります。
確かに評判通り、広くてきれい、飲み物食べ物も充実しています。
軽くお食事して、1時間前には出て、シェンゲンエリアに戻りました。

搭乗口まで行ってみると、まだ搭乗開始まで30分以上あるのにゲート前は人だらけ、 居場所もありません。
わずかの時間ですが、ルフトハンザのラウンジで待つことにしました。
国内線用なのであまり広くはありませんが、味気ない入口に反して居心地は悪くなく、 食べ物、飲み物類もひと通りありました。

時間になったのでサテライトに移動、保安検査を受けて搭乗します。
一応ビジネスなのですが、エコノミーの３席シートの真ん中にテーブルを出してブロックしてあるだけ。
ヨーロッパ内の移動に多い、なんちゃってビジネスと言われるものらしいです。
それでもわずか１時間ちょっとのフライトなのに機内食が出ました。

フランクフルトに到着、荷物をピックアップして、まずは空港内にある、 ヒルトン・ガーデン・インに向かいます。
明日のフライト前に、ルフトハンザ航空のファーストクラス専用ターミナルをゆっくり楽しむために、 今夜はフランクフルト泊まりにしたのです。
もちろん、旅程が押した時のバッファでもあります。

お夕食は美味しいビールとソーセージをいただこうと、パウラウナーへ。

パウラウナーはミュンヘンが本拠地のドイツでは誰もが知る老舗だそうで、 ちょっとターミナルからは歩きますが、 美味しいビールとドイツ料理ならここ、とのこと。
空港にあるレストランだけあって、店員さんが英語を話せるのもうれしいですね。
以前のドイツ旅行では、駅の売店で英語が通じなくて困りましたから。
日本語のメニューもありました。

ふつうは早い時間にしかない白ソーセージも注文できて、 自家製生ビール、ミュンヒナーとヴァイスビアーで乾杯しました。
明日はアメリカに向けてフライトです。

＊これは想像上の旅行記です。
コロナウィルスによるパンデミック以前の情報から構成してありますので、
現実とは異なったものであることをお断りしておきます。