今日はジュベルニーのモネの家に行きます。
テレビ東京の「美の巨人たち　ジュベルニーの庭と家」で、 モネがこの家を庭だけでなく、家の中の色彩にも強いこだわりをもって作りあげていったのを知り、 ぜひ行ってみたかったのです。

個人で行くのはちょっと大変そうなので、VELTRAからみゅうのツアーを申し込みました。
ギャラリーラファイエット前に７時５０分集合、８時に出発です。
快適なバスに揺られて走ること1時間ちょっと、 予定より５分早く、９時１０分に駐車場に到着しました。

着くまでの間に、ガイドさんが園内の回り方や花壇の話、 あの大きな池を作るまでの裏話などいろいろ説明してくれました。
家の中にあるたくさんのモネや友人たちの絵はすべてレプリカですが、 浮世絵だけは５年前まではオリジナルだったため、撮影禁止だったそうです。
いまはすべてレプリカに変わったので撮影もＯＫになったとか。

広い駐車場には何台か観光バスが止まっていました。
駐車場から歩いて10分ほどのところの団体用入り口まで誘導してもらい解散、 帰りは駐車場に集合です。

入るとすぐに地下通路があり、ほとんどの団体客はそこを通って水の庭園に向かいますが、 ガイドさんから、 「モネの家は、どんどん混んできてじっくり見られなくなるので一番に」 と言われていたので、まずはお家に向かいます。
途中のばらのアーチからピンクのお家が見えました。

モネはこの建物のピンクが気に入ってここに住むことに決め、庭との一体感が出るように、 前庭にピンクや赤の、チューリップ、バラ、ゼラニウムなどを植え、 グレーだった窓枠をグリーンに塗り替えたそうです。
ちょうどチューリップがきれいに咲いていました。

家は2階建てになっていて、 1階→2階→もう一度1階に戻ってきて外へ出るという順路です。
まずは、１階の読書室、ここは青の間と呼ばれているそうで、 壁は白ですが、さまざまな縁取りにきれいなブルーが使われていました。
青の部屋はキッチンだけではなかったのですね。
つぎに、モネが１８９９年まで制作していた、半地下の最初のアトリエへ。
印象派の作品が、壁いっぱいに飾られていました。
もちろんすべてレプリカです。

２階にあがると、モネとの家族のお部屋、寝室やバスルームがあります。
モネの寝室には、セザンヌやルノワール、など、 同時代に活躍した友人達の作品ががところ狭しと飾られています。

寝室から眺めるお庭はとても素敵です。

モネの２人目の妻、アリスの部屋はピンクでした。
アリスの部屋にもモネの友人たちの絵がたくさん。
アリスは他に、バスルームと寝室を持っていて、 そことモネのバスルームに飾られていたのは浮世絵でした。

アリスの次女、ブランシュの寝室は、 花柄の壁紙が明るく、とても可愛いお部屋、彼女はアリスの連れ子で、 モネの長男のジャンと結婚したのだそうです。

１階に降りて、「美の巨人たち」でモネの色彩に対するこだわり、と取り上げていた、 ブルーのキッチンとイエローの食堂を見ます。
このイエローがなんともいい色合い、椅子の背もかわいいです。
キッチンは、青の部屋よりしっかりしたブルーを基調に、 青と白のタイルに銅製の鍋と椅子の茶色がアクセントになっています。

どちらも浮世絵だらけ、２階の分と合わせて、浮世絵だけの美術館ができそうなほど。
モネが浮世絵に深く傾倒していたことがよくわかります。

日本のネコの置き物は、ブランシュのお部屋と食堂にありました。
元は対でモネに贈られたものですが、 孫娘が相続した１匹が競売にかけられたのを日本人が落札して寄贈、 再び２匹そろったそうです。

外へ出ると大勢の人たちが家に入るために列を作っていました。
先ほどの地下道をくぐって水の庭に向かいます。

蓮池の水はセーヌ川から引いています。
水路の入口は竹林になっていて、京都・嵯峨野の雰囲気、 パリに居ることを、一瞬忘れていしまいそうな景色です。

柳が生い茂り、木々に囲まれた池には、睡蓮がたくさん浮かんでいます。
お花の時期にはまだ早かったのですが、いくつか早くに咲いたものを見ることができました。
太鼓橋には藤棚が茂り、そこから見た池はまさにモネの世界。

とにかく広い！モネは小舟を浮かべて作品を制作したというのも納得でした。
季節によって、時間によって、刻々とその姿や印象が変化する睡蓮の池は必見だそうです。

池をぐるっと回ってから花の庭に戻り、 邸宅前に広がる庭園を見ながら出口に向かいます。
花壇のような仕切りがないので、様々な色形の花々が自由に咲いているようで、 その名の通り、パレットに乗せられた絵具のようでした。

水の庭も花の庭も、どこを切り取ってもモネの絵なのですが、 実はそれもそのはず、モネの死後荒れ果ててしまった庭園を、スケッチやメモ、 取り寄せた苗木などを資料に、描かれた絵と照らし合わせながら復活させたものなのだそうです。
忠実に再現してくださっているおかげで、今も見学者がモネの世界に浸ることができるわけです。

お土産屋さんを覗いても集合時間まで、まだ40分ほどあったので、 モネのお墓のある聖ラドゴンド教会に向かう事にしました。

途中、ジヴェルニー印象派美術館があります。
クロード・モネの作品や、シスレー、モーリス・ドニ、 ジヴェルニーのアメリカ人画家たちや、日本人の平松礼二などの作品があるそうですが、 時間が無いので、無料のお庭だけを通りがてら見ることにしました。
クロード・モネ通りと平行しているので、 この庭園内を歩いて行ってもほとんど遠回りにはならないのです。
美術館の庭園はよく手入れされていて、とてもきれいでした。

モネの家＆庭園の出口から、10数分で聖ラドゴンド教会に到着しました。
モネのお墓は教会の手前の階段から上がりますが、先に教会もちょっとだけ見学。
こじんまりとした教会です。
お墓にも沢山のお花が植えてあって、ここもモネのお庭のようでした。

戻ってきて駐車場への地下通路の手前で、ちょっとすてきなホテル兼レストランを発見、 お庭に売店が開いていて、ガイドさんの話で気になっていたシードルを売っていました。
ちょうど喉も乾いていたので、購入、一息入れてからバスに戻りました。

帰りもスムーズにパリに到着、ここでツアーは解散ですが、 フラゴナール香水博物館のお土産付きの無料ツアーというのがおまけについていて、 希望者をガイドさんが連れて行ってくれます。
お土産も魅力だったけど、エズの時に、フラゴナールには関心があったのに、 さっと通り抜けで残念だったのでもちろん行きます。
参加者の半分くらいが引き続き参加しました。

香水瓶の並ぶエントランスで日本人の説明員を待ちます。
日本語パンフレットも配られ、香水の種類などの説明が書いてありました。
ツアーは30分ほどで、世界中の香水の歴史や、 フラゴナールの歴史を丁寧に説明してくれました。

地下の博物館には、蒸留器などの機器が並び、 フラゴナールの工場で使われていた花のエッセンスの蒸留方法が説明されています。
オリジナルの香水瓶やラベルの展示もすてきでした。

見学ツアーの最後はショップに戻って、 三種類の香水を嗅いで、どのような原料が入っているかを当てるというクイズ。
これもなかなか面白かったです。

ここからは販売モードです。（笑）
実際に売られているものの香りを説明しながら、 ムエット（香りをつけた紙）を配り、 色々な香りを嗅いで、自分好みの香水を選んでください、というしくみ。
代表的な香り、、、イルダムール、ベルドニュイ、エトワルなどなど。
自分用にひとつは買って帰るつもりでいましたが、 どれもいい香りで迷ってしまいます。

すると夫が、これ、どう？とBelle cherie　ベル・シェリを指しました。
名前に惹かれたそうで、嗅がせてもらったら、いい感じ。
プレゼントしてくれるというので、 パルファンの大きめのボトルを買ってもらっちゃいました。

ツアーのお土産は2020年のお花、マグノリアのオードトワレと石鹸でした。
ほんのり甘い、優雅な柑橘系という感じかな。
割と好きかも。

お腹が空いたので、調べてあったビストロ・ビクトワールへ。
こじんまりしていてテーブル間がせまく、 いかにもパリのビストロっていう感じの伝統的なお店です。
観光客でも入りやすくて、居心地がよく、 お値段がとてもリーズナブルということでここに決めました。

夫は名物料理のアントレコートのロティ。
ステーキの上に火のついたローズマリーがのっていて良い香りです。
定番のようで、頼んでいる人が多かったです。

わたしはもうひとつの名物らしい、砂肝のサラダを注文しました。
野菜がみえないほどたっぷりの肉類、 砂肝のコンフィ、フォアグラ、生ハム、そして鴨のコンフィまでが、 盛り付けられています。

やっぱりワインが欲しくなるよね、とグラスで頼んだら、 たっぷりと注いでくれて2.9ユーロ
ほんとうにリーズナブルなお値段、でもとっても美味しかったです。
デザートも食べてみたかったけれど、もうお腹いっぱい、あきらめました。

ブルス駅からメトロで移動してアトリエ・デ・リュミエールへ ここは2018年４月に開館したばかりのパリ初のデジタルアートセンターです。

デジタル化された芸術作品がプロジェクションマッピングで投影され、 専用に作られた音楽のリズムに合わせて動き出すというもの。
ただ作品を見るのとは違って、作品世界に入り込み 画家の世界そのものに浸ることができるという、 昨年観てきたお友達の話を聞いてぜひ行きたいと、予定に入れました。

2018年の「グスタフ・クリムト」、2019年の「ファン・ゴッホ　星降る夜」、 に続き、今年の企画は「モネ、ルノワール…シャガール　地中海の旅」
地中海がイメージを触発する場所として、 画家たちの個性にいかに大きな影響を及ぼしたかがテーマだそうです。

ルノワール、モネ、ピサロ、マティス、シャガールなどの作品が 次々と投影され、動き、変化していく中に置かれ、 確かに、自分も絵の一部になったような気がしてきます。

テーマは地中海でしたが、 ジュベルニーでモネの世界に浸った後に印象派の絵に囲まれるのはまた格別でした。

印象派のあとは、 「イヴ・クライン　果てしないブルー」の展示でした。
南仏ニース生まれのイヴ・クラインは地中海の空を愛し、そこからインスピレーションを得たそうで、 一面青の世界、「インターナショナル・クライン・ブルー」が拡がりました。

すばらしい映像作品を味わった後は、パリ最後の夜の夕食を楽しむために、 いったんお宿に戻って休憩することにしました。
ジャック・デュナンかメールに寄っておやつを、と思っていたのですが、 けっこう疲れてきていたので。

アスピックは９区にある評判のいいレストラン、 ミシュラン一つ星でありながら、良心的なお値段と丁寧な接客なのだそうです。

メニューはシェフのおススメ7皿コース（75ユーロ）のみ。
43ユーロでワインのペアリングをつけることができます。
７皿といっても一つ一つのポーションは小さめ、 わたしの小さな胃袋でも、全部美味しくいただけました。

アミューズ、前菜、サラダ、魚料理、野菜のグリル、肉料理、フロマージュ、デザート
もちろんワインのペアリングをつけて、 シャンパンとアミューズブッシュからスタートしました。

アミューズブッシュは、パンチエッタ、 焼き立てのブリオッシュとホームメイドのハーブバターが一緒に出てきました。
不思議な風味のバターで、まるでこちらが主役、とても美味しい！
コンババ（カフィアライム）という果実の皮で味付けしてあるのだそうです。

ホタテのフライの前菜、蟹のサラダと続きます。
カリっと焼き上げられた魚はポラックというのだそうですが、 貝のソースが添えられていました。
野菜料理はキャラメリゼした西洋ごぼう、お肉はウズラでした。
１つ１つのお料理をとても丁寧に説明してくれたのですが、 残念ながらあまり覚えていられなくて、、、
とにかくどれも手が込んでいてすごいという印象でした。

このあと、チーズのお皿が来てデザートへ。
珈琲には、小菓子が添えられてきました。

とても繊細なお料理とそれによく合った シャンパン、ワイン、どれもとても美味しくて大満足でした。

今夜でパリともお別れ、明日は大西洋横断のためにフランクフルトに移動します。

＊これは想像上の旅行記です。
コロナウィルスによるパンデミック以前の情報から構成してありますので、
現実とは異なったものであることをお断りしておきます。