いよいよロンドン最終日、市内を一望できるところに行きます。
ロンドンで高いところといったら、ロンドンアイかシャードですが、 どちらもお値段、待ち時間ともに敷居が高い！（笑）

ここスカイ・ガーデンは、予約は必要ですが無料、 しかも予約時間帯の前に自由に入れる、「ウォークイン・アワーズ」があるので、 移動日の朝でも後の予定を気にせずに安心して行くことができます。
場所はモニュメント駅からすぐ、その外観から 「ウォーキー・トーキー（トランシーバー）」と呼ばれている総合ビルの上にあります。
35階からが展望フロア、38階まで吹き抜けになっていて、 全面ガラス張りで開放感があり、イングリッシュガーデンの緑がいっぱい。

オープンエアのテラスに出て見る市内一望の絶景は最高、 ここ数日で回ったところを上から再度観光です。
カフェやレストランなどもあるので、夜景を見ながらのお食事なども素敵でしょうね。
パリ行のユーロスターは15時半なので、ホテルに荷物を預けたままで、 午後まで観光します。
まずは、ウエストミンスター寺院へ。

人気のスポットですから、ふつうに並ぶと1時間待ちも珍しくないということなので、 公式サイトで時間指定の入場券を購入していきました。
もちろん、期間限定のクイーンズ・ダイアモンド・ジュビリー・ギャラリーズもオプションで選択してあります。
朝一番に行ったにもかかわらず、当日券はすでに列ができていましたから、 予約は正解でした。
スムーズに入場、オーディオガイドを借りて、まずは教会内を見て歩きます。

王族の結婚式や葬儀、戴冠式などが行われる場所として有名ですが、 歴代の王や女王、政治家などが多数埋葬されている場でもあります。
国王・女王のお墓は両サイドの壁に場所があり、りっぱな石像を乗せた棺がおさめられています。
一般の人は床の名前の刻まれた石板の下に葬られており、床一面がお墓、その上を歩くことになります。

一般人とはいっても、クロムウエル、ダーウィン、ヘンデル、ディケンズ、 ルイス キャロル、などすごい方々ばかり。
科学者の場所、詩人の場所と何となくまとまって葬られています。
最近では2018年にホーキンズ博士がダーウィンとニュートンの間に埋葬されましたね。

ニュートンだけは映画ダビンチコードにも出てきたあのりっぱなお墓でした。
そばにヘンデルの彫像がありましたが、これはモニュメント、お墓は床の石板。
シェークスピアの彫刻も記念碑で、 遺骸は故郷のホーリートリニティ教会の床に葬られています。
ヨーロッパの教会ではふつうのようですが、この慣習どうにもなじめません。

内部の建築はステンドグラスやアーチ型の天井など、どこも美しいゴシック様式で、 特にヘンリー７世のレディ・チャペル の天井はとても繊細です。
祭壇の近くに敷かれた、ローマのタイル職人によるタイルモザイクの歩道、 コスマティ・ペイヴメントも往時のままの姿だそうです。

即位に使われる、戴冠式用の椅子も展示されていました。
椅子自体は意外に簡素なものでしたが、スコットランドから略奪してきた、 スコットランド王代々の戴冠に使われた石、ストーン・オブ・デスティニーを 収めるという目的で作られた、という点が大事なのかも。
この石、現在は返還されてエディンバラ城にあり、戴冠式には借りてくるそうです。

教会内を一通り見終わったら、ウエストンタワーを登っていきます。
ウェストミンスター寺院の最上階の特別展示コーナーです。
ヘンリー8世の時代に建てられ、700年間一般公開されることはなかったトリフォリウムに作られました。
2018年6月にオープン、2022年末までの期間限定公開になります。

現存する英国最古の祭壇画、ヘンリー7世やエリザベス1世の葬儀用の彫像、 ヴィクトリア女王戴冠式のフットステップ、ウィリアム＆ケイトのマリッジ・ライセンス、 エリザベス女王の肖像画などが展示してありました。

展示物も興味深かったのですが、なによりふだんは未公開の空間に入れたのが、 ちょっとワクワクした感じになりました。
塔を登る間や、展示室から見る寺院の風景もよかったです。

そろそろお昼も近いので、ホテルの方向へ戻って、バラマーケットに行きます。
ここは市民がお買い物をするマーケットであると同時に、 食べ歩きが楽しめる場所になっています。

このエリアに入っていくとすぐに目につくのが大きなお鍋で作られているパエリア。
試食をどんどん配っています。
パエリアの試食も美味しかったし、カッパカゼインのラクレットも気になったけれど、 いろいろ食べてみたかったので、量が少なめにみえたものをいくつかチョイスしました。
ロンドンらしいもの、ということで、ミートパイにスコッチエッグ、 ソルトビーフサンド、それにうなぎのゼリー寄せカップ。
コロンビアの珈琲もテイクアウトしてイートインコーナーでいただきました。

塩漬けのビーフの塊を長時間かけてやわらかくなるまで煮込んだソルトビーフを ベーグルで挟んだサンドは、ピクルスと紫キャベツが一緒に挟まれており、 マスタードが程よく効いています。
ミートパイはキドニーの入ったもの、思ったよりボリューミーでしたがなかなかよかったです。
イギリスといえばスコッチエッグと思っていましたが、 ここまで美味しいとは思いませんでした。
カリっと香ばしく揚げられた衣、ややスパイシーなひき肉、 そしてすごいのは、中の卵の黄身が半熟でとろ〜っとしているのです。
うなぎは塩味で脂ののった白身魚の煮こごりといった感じで、あまりうなぎっぽくはありません。
でも硬い骨が気になります。
台湾で食べた揚げうなぎの煮込みもこんな感じでしたね。

思ったより量があってまたもや満腹。
海外行くたびに胃の小ささを実感させられます。（笑）

市場の中には食品だけでなく、食器などのお店もあります。
デザートは別腹、山羊のミルクのアイスクリームを食べながら少し覗いて、 セント・ポール大聖堂に向かいました。

大聖堂としては、ローマのサン・ピエトロ寺院に次ぐ大きさのセント・ポール寺院。
サッチャー元首相の葬儀や、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚式が執り行われた場所として有名な バロック建築の教会です。
ジュリー・アンドリュース主演の映画メリー・ポピンズでも、正面が印象的に登場しますね。

ロンドンの中心地として位置付けられており、市内の主要な場所から 大聖堂が見えなくなるような高層建築を建ててはいけないという、 景観規制まであるそうです。

こちらにもオーディオガイド日本語版があり、無料で借りて入場します。
マルチメディアには、30分で回れるのハイライトツアーもありましたが、 時間も気になるので、見たいところをガイドを聞きつつ回りました。

教会内部は、ロンドンで最も壮大で美しいと聞いていたとおりで圧倒されます。
巨大な洗礼盤の先に壮麗な身廊、その左側には ワーテルローでナポレオンを破ったウェリントン公爵の、巨大な記念碑。
見上げるドームの天井には、直径34mのフレスコ画が描かれています。

教会中心部と主祭壇の間には、とても美しい装飾の聖歌隊席があり、 裏を進むと主祭壇へたどり着きます。
クリストファー・レンのデザインによる天蓋は、ほんとうにすばらしいです。

以前は撮影禁止だったようですが、現在はＯＫ、みなさんパチパチと撮っていましたよ。

地下には、ウェリントン公爵・ネルソン提督などのお墓がありますが、 先に身廊通路の右のドームへ上がる階段へ向かいます。

頂上まで上がれば、市内360度の景観を楽しめるのですが、 パノラマは朝に見てきたので、、、というか528段の階段は無理！ということで、 半ばにあるささやき回廊まで行って祭壇や聖歌隊席を真下に見てくるつもりでした。

ここがささやきの回廊といわれるのは、34mも離れた、ドームの反対側にいる人の話し声が、 なぜか後ろの壁から聞こえてくることから。
ところが、黒いテープで表示が隠されており、なんと夏までは工事中で入れない！ということで断念、 おとなしく地下のお墓にお詣りして帰りました。

ホテルで荷物を受け取り、タクシーで、ユーロスターの発着駅、セント・パンクラス駅へ向かいます。
ゴシック様式の高い時計塔を有する駅舎はクラシカルでとてもすてき。
ハリーポッターの映画でキングス・クロス駅の外観として使用されているのは実はこちらだそうです。

15：31発のパリ行きはもうじきゲートオープンの時間ですが、 大急ぎで9と3/4番線ホームを見に、セント・パンクラス駅に行きます。

実際のホームの９番線と10番線の間は線路で、映画の撮影では４番線と５番線の間が使われ、 ここの柱に9と3/4線のプレートが置かれていた時期もあったそうです。
現在は西のコンコース、ハリーポッターの公式グッズショップのとなりに、 通り抜けるシーンを再現したカートがありその前で写真を撮ることができます。

人気の撮影スポットなので、万一空いていたらという淡い期待で行ったのですが、やはりけっこう並んでいたので、 全体をパチリ。
好みの寮のマフラーを貸してもらい、スタッフがパタパタと飛び込む瞬間を演出していました。
最初に自分のカメラで撮る時間をくれて、その後カメラマンさんが撮影、 その写真は隣のショップで購入（10£）できます。

並ばずに撮りたい場合は、 公式ショップで VIP PHOTO PASS（15£+送料9.55£）を購入しておくと、 写真入れ付きのストラップが送られてきて、最前列に案内されて撮影できると後から知りました。
ちょっとお高いですが、ストラップもなかなかいい感じですから、知っていたら購入しておいたかも。

列にならばなかった分、少し時間ができたので、ショップの方をぐるりと見てきました。
ショップ内は映画でハリーポッターが杖を購入したオリバンダー杖店を模したものらしいですが、 USJとよく似たかんじでした。
ここにしかない商品もあるようですが、あまり詳しくないので、雰囲気だけ味わって終了です。

セント・パンクラス駅へ戻り乗車手続きです。

ユーロスターの乗り方は飛行機の国際線と同じです。
ＱＲコードをかざしてチェックイン、そして手荷物検査、 そのあと出国審査を受けてから待合室に入ります。
待合室は広いですがそれでもかなり混雑しています。
待っている間に、両替所で残ったポンドをユーロに両替しました。

出発時刻の20分くらい前に乗車開始のアナウンスがあって一斉に人が動き出しました。
スタンダードプレミアの場合は席が決まっているので慌てることはないのですが、 荷物置き場も心配で、人の流れに乗ってホームに移動、乗車しました。
指定した座席は1人掛けの向かい合わせ席、荷物置き場のすぐそばです。
さすがスタンダードプレミア、場所は人数分あるようでスーツケースは余裕でおけてホッとしました。

列車は定刻に出発、しばらく走るとトンネルに入り、お食事が運ばれてきます。
チキンとキッシュが選べたのでひとつずつ頼みました。
コールドミールですが、ワインもついていてそんなに悪くはありません。

2時間16分の旅はあっという間、パリ北駅に到着です。
タクシーで10分ちょっとで、今回のお宿、オテル フランス ダンタン オペラに着きました。
チェックイン後オペラ座の近くを少しブラブラ。
夜のオペラ座もきれいですね。
モノプリにも寄って、ワインとお水と軽い食料を調達して戻りました。

＊これは想像上の旅行記です。
コロナウィルスによるパンデミック以前の情報から構成してありますので、
現実とは異なったものであることをお断りしておきます。