ロンドンはやはり寒いですね。
日本で寒さがぶり返した！ってふるえてた頃ぐらいの体感です。
ホテルで朝食を済ませ、予約してあった国会議事堂の見学に向かいます。

イギリスの国会議事堂正式名称はウエストミンスター宮殿、 あのビックベンのある建物なのですが、審議のない時は申込制で内部見学をすることができます。
会期中の今は土曜日のみ。
オーディオガイドを聞きながら自由に回れるコースを選びました。

ビッグベンはただいま修理中ということで無残なお姿です。
入口は裏側のクロムウェルグリーン (Cromwell Green) 、 予約した時間に間に合うように少し早めに並んで、厳重なセキュリティチェックを受けてから入場するのですが、せっかくの中庭からのアングルも撮れません。
リチャート1世の銅像も、バックがこれではね。

立派な扉の中に入ると、ひろーい空間、ウエストミンスターホールです。
ここを通り抜けたところが、セントスティーブンスホール。（写真右）
1834年に一度焼失するまでは礼拝堂があり、下院議会が開かれていた場所だそうです。
現在はモザイクタイルにシャンデリア、たくさんの絵画や彫像が飾られ 宮殿というにふさわしい豪華な空間になっています。
撮影OKなのはここまで、あとの写真は公式ＨＰやパンフから。

建物のほぼ中央にあるのが、八角形をしたセントラルロビーロビーで、 下院と上院をつなぐホールになります。
右手が上院の貴族院 (House of Lords)、左手が下院の庶民院 (House of Commons) 、 見学ツアーの順路は、先ずは右手の上院側から。

女王陛下がローブをつけるロービングルーム、 レセプションなどに使われるロイヤルギャラリーに続いて貴族院の議場です。
貴族院議場、House of Lords Chamber はとにかく豪華絢爛、 ロイヤルブルーのカーペット、赤い革張りの椅子、金ぴかの装飾、、、
年に一度国王が訪れ開会のスピーチを行うので、王座もあります。

上院側の見学を終えたあとは、今度はセントラルロビーの逆側にある、下院側へ。
メンバーズロビーという、ウィンストンチャーチルや マーガレットサッチャーといった歴代首相の銅像が並ぶロビーを抜けると ＴＶでおなじみになった庶民院の議会場があります。
ああここなんだなぁとブレジットの頃の中継思い出して、妙に感動です。
最初のホールに戻って1時間ほどで見学は終了、ギフトショップを少し覗いてから 外に出ました。

このあと、バッキンガム宮殿の衛兵交代を見に向かうのですが、 時刻はすでに10：30を回っているので、宮殿周辺はすでに見学者で近づけないだろうと、 ちょっと抜け道的ルートを狙いました。
ウエストミンスター宮殿から軍楽隊が出てくるウエリントン兵舎までは歩いて10分ほど、 11：00の出発に間に合います。
これを見てから、すぐにフォース・ガーズに向かい、騎馬隊の交代を見学でき、 騎馬隊の後を追ってザ・マルを進めば、バッキンガム宮殿から戻ってくる衛兵と遭遇するはず、と。

ウエリントン兵舎に着くとすでに衛兵さんたちが整列していました。
軍楽隊も出てきてバッキンガム宮殿へと行進開始です。
ここまで30分ほど、観光客もそれほど多くなく間近でゆっくり見られたので、移動はやめました。

ほんとうは今日は下見で、明後日頑張って宮殿の最前列で待とうかと思ったのですが、 十分満足したし、なんといってもあの人混みを見てしまったら、 やめておこうということになりました。
このあと、ホース・ガーズにちょこっと寄ってから、ナショナルギャラリーに向かいました。

日本では3月からナショナルギャラリー展の真っ最中、 開催を知ったときはびっくりしましたが、発表になった目録をチェックすると、 主な作品の中で日本に来ているのはフェルメールやゴッホなど数点のみ、 日本で先に観たことで、逆に時短鑑賞ができました。
次にロンドン塔観光が控えていてあまり時間が取れないのでラッキーでした。

駆け足でしたが、人気作品のヤン・ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻像」、 ボッティチェリ「ヴィーナスとマルス」、 ピーテル・デ・ホーホ「デルフトの中庭」などや 他の美術館で同テーマ作品を観たパオロ・ウッチェロ「サン・ロマーノの戦い」や レオナルド・ダ・ヴィンチ「岩窟の聖母」などを鑑賞、 ハンス・ホルバイン「大使たち」でどくろを探し、 「007 スカイフォール」を思い出しながらターナーの絵の前にも座ったりと しっかり楽しみました。

セルフサービスのカフェで手早くランチを済ませてから メトロでロンドン塔に向かいます。
少し雨がぱらついてきたのでこの後がちょっと心配です。

タワーヒル駅を降りると、どんよりとした空ですが、幸い雨は降っていません。
予め日本でeバウチャーを購入してあるので、 グループチケットオフィスで入場券と引き換えたら、ほとんど並ばずに入場できました。
ビーフィーターのガイドツアーにも興味はあったのですが、 人が多いのと英語に自信もなかったので、入口で５£で日本語ガイドを借りました。

まずは王冠などのあるジュエルタワーに向かいたいところですが、たぶんかなりの行列でしょう。
すでに14：00、ここに時間を使ってしまうと全部見られないかも、ということで ジュエルタワー入場はある旅行記で読んだ裏技を当てにすることにして、 他の施設を音声ガイドを頼りに回ることにします。

まずはトレイターズゲート、チューダー朝時代に反逆罪でロンドン塔に投獄される 身分の高い囚人が運び込まれたという水門です。
ヘンリー８世の２人のお妃もここから入城、処刑されました。

そばの階段を上がると外壁にある全ての塔と繋がっているので、 ぐるっと外側のタワーを見学することができます。
ひとつ目のタワーには エドワード一世の寝室を再現した部屋やゴールドの王座があります。
ステンドグラスがきれい。

続くタワーには当時のゲームだったり、軍人のヘルメット （かぶることができますが、とても重い）などが展示されています。
MARTIN TOWERには動物園だったころの説明やエピソードがありました。
それであちこちに動物のオブジェがあるのですね。

塔と塔をつなぐ通路には金属製の兵隊さんのオブジェ、 中庭の屋根に動物のレプリカと、みどころたくさん。
またテムズ川にかかるタワーブリッジや市内の景色がとてもきれいに見えます。

ロンドン塔のカラスの話は有名ですが、あちこちで見かけました。
そばによっても逃げませんし、悪さをする風もありません。
大事に飼われているのがわかります。

最後の塔は撮影禁止、1300年代の王冠コレクションでした。
ダイヤは王冠には入っておらず、 その他の石とともに横に山積みにされていました。
現在の王冠はもちろん素晴らしいですが、枠だけのこちらでもなかなかきれいでしたよ。

けっこう歩いて疲れたので、外壁を下りたところでひと休みしようとしていたら、 ジュエルハウスの方から掛け声が聞こえてきます。
もしや衛兵交代かなと向かいました。
この交代式は間近で見られるので人気、この間ジュエルハウスの行列が消えるという話を 旅行記で読んでいたので急いで入口へ。
確かに裏技、ほとんど待たずに入れました。

ジュエルハウスの中は圧巻でした。
歴代の国王の戴冠式で使用される王冠の数々、儀式用のコレクションが展示されています。
王冠の並ぶショーケースの前だけは動く歩道に乗って移動しなければならないため、 立ち止まることはできませんが、何度も繰り返して乗ることはできます。
戴冠式に使われるセントエドワード王冠にアフリカの星、眩い輝き、素晴らしい！
（写真不可なので公式ＨＰより借用）
あっという間に通ってしまうので、もう一度乗って見直しました。

次は武器庫　ホワイトタワーへ。
このホワイト・タワーは、塔内最古の建造物です。
内部は博物館になっていて、刀剣や甲冑などの武具などがずらりと並んでいます。
なかでもひときわ目を引くのは馬に乗ったヘンリー８世の鎧姿。

歴代の国王愛用の剣を肖像画の前に並べたものや愛馬の複製もわかりやすくて、おもしろかったです。
1613年に、徳川秀忠がジェームズ１世に贈ったという甲冑もありました。
武田勝頼のものと言われているそうです。
３階まで登りながら観てゆき、帰りは螺旋階段で一気に地下までおります。

ホワイトタワーの西側にタワー・グリーンという場所があります。
ロンドン塔が牢獄であった頃、多くの重罪人はロンドン塔の北にあるタワー・ヒルで公開処刑されましたが 身分の高い王族や貴族だけが城内のこの場所で処刑されたそうです。
今は明るい芝生になっていて、処刑台の跡にはここで処刑された７人の名前が刻まれた ガラスのオブジェが置かれています
上に乗っているのは最後に首を乗せるクッションでしょうか。

エリザベス１世の母であるアン・ブーリンや ９日間の女王として知られるレディ・ジェーン・グレイの名も刻まれていました。
ナショナルギャラリーの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の背景は地下牢のような場所でしたが、 ほんとうは屋外だったのですね。

その後ろにあるビーチャム・タワーは囚人達が押込められたところ。
刑が執行されるまでの間に刻んだサインや彫刻が残されていますが、 かなり精巧なものもあってびっくり。
処刑された人々はそばにあるセントピーターアドビンキュラ教会に葬られました。

拷問の道具が展示してあるブラッディタワーはあまり気乗りがしないので、 外見だけにしてロンドン塔を後にしました。

シェークスピアのグローブ座へは、リバーバス（水上バス）で。
タワーミレニアム桟橋からバンクサイド桟橋へ２駅、 15分ほどでつきます。
歩いてもプラス5分くらいで行けるのですが、 テムズ川を渡るのもいいかなと選んだルートです。

グローブ座の見学ツアーは最終回が17：00なので間に合いませんでした。
展示コーナーだけ見ます。
日本語の音声ガイドを借りて、グローブ座の模型や、劇で使用された衣装、 小道具などの展示を舞台を想像しながら楽しみました。

ミュージアムショップではダックだけ購入、横のレストラン、スワンへ。
テムズ川越しに暮れゆくセントポール寺院を眺めながらのお食事に大満足、 ゆっくりと歩いてホテルへ戻りました。

＊これは想像上の旅行記です。
コロナウィルスによるパンデミック以前の情報から構成してありますので、
現実の状況とは異なったものであることをお断りしておきます。